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IBM 7090は、IBMの科学技術計算用第二世代トランジスタ版メインフレームであり、真空管ベースの IBM 709 の後継マシンである。最初の7090は1959年11月に稼動。1960年、典型的なシステム価格は290万ドルで、レンタルでは月額63,500ドルであった。 ワード長は36ビットで、アドレス空間は32Kワード。基本メモリサイクルは2.18μ秒〔IBM Reference Manual, IBM 7090 Data Processing System, 1961, IBM A22-6528-3〕。IBM 7030 (Stretch) プロジェクトから生じた IBM 7302 磁気コアメモリ記憶装置を流用している。 7090は709の6倍の性能で、レンタル料は半分だった〔Emerson W. Pugh, Lyle R. Johnson, John H. Palmer, ''IBM's 360 and early 370 systems'', MIT Press, 1991, ISBN 0-262-16123-0, p. 36〕。 == 派生機種:IBM 7094/7040/7044 == 709は704を強化したマシンだったが、709がリリースされたころには真空管からトランジスタへと時代が移りつつあった。そこでIBMは709開発チームにトランジスタ版の後継機開発を指示した。このプロジェクトは709-T(Tは Transistorized の意)と呼ばれたが、それを「セブン・オー・ナインティ」と発音したことから、機種名が7090となった。 IBM 7090 から以下のような機種が派生している: ; IBM 7094 (1962年9月) : 上位機種。7本のインデックスレジスタを持つ(7090は3本)。制御コンソール上部に追加されたインデックスレジスタの内容を示すランプ群が追加されている。倍精度浮動小数点数と関連する命令が追加されているが、7090とは大部分で互換性が保たれている。インデックスレジスタが増えているために命令形式は微妙に変更され、これが問題の元となることがあった。 ; IBM 7040 (1963年) : 下位機種。命令が削減され、入出力機構が単純化されている。具体的にはインデックスレジスタ、文字操作命令、浮動小数点演算命令がオプションとなっている。 ; IBM 7044 (1963年) : 7040の規模拡張版。 ; IBM 7094 II (1964年4月) : 7094の上位機種。クロック速度向上と命令のオーバーラップ実行(原始的な命令パイプライン)が導入され、7090の約2倍の性能を誇る〔http://bitsavers.org/pdf/ibm/7094/A22-6760_7094model2.pdf〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「IBM 7090」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 IBM 7090 」があります。 スポンサード リンク
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